家族のコミュニケーション-その10 謝るには
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家族のコミュニケーション-その10 謝るには
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夫婦の関係で一番難しいのは「謝る」ことです
夫婦だけではありません。人と人の関係でもこれが上手に出来る人は
人付き合いがうまくいきますが、絶対謝らない人は難しい問題を抱えます。
◆◆なぜ、謝れないのか◆◆
◆誇りがあると謝れない。
あなたはご自分のプライドが邪魔して,
『ごめんね』と言うのが難しいことはありませんか。
つまり、謝るのは恥ずかしいと思うのです。
人前で恥を掻きたくない。人より劣っていると思われたくない。
その間違った誇りが過度に強い人は,自分の責任を認めてはいても
人に頭を下げることが出来ません。
◆立場が変われば見方も変わる。
自分では悪くないと思える場合。
もしくはどちらも間違っていると思える場合。
謝るのはいつでも悪い方、間違いを犯した方だけ
という考えだと謝れません。
結婚しているある女性はこう言います。
「自分が100%悪いと分かっている時には
『ごめんなさい』と言い易いです。
でも,お互いに激突するようなことを
言い合った時は謝るのが難しいです。
お互いに悪いのに,
どうして自分だけが謝らなければいけないのでしょうか」。
相手が絶対に悪いと思う状況だとしましょう。
例えば疲れ切って帰ってきた夫があなただとしましょう。
妻はまだ食事の準備もしていない。
部屋には取り込まれた洗濯物が散乱しています。
「一日何をやっていたんだ。僕は疲れ切って帰って来たのに!!」
とつい怒鳴ってしまうかも知れません。
本当に妻が悪いのでしょうか。
何かの事情があったのではないでしょうか。
常習的にいつもそうなのでしょうか。
自分が怒りにまかせて怒鳴ったそのこぶしを降ろしてみませんか。
謝るなら自分にも非があると認めることに
なってしまうと思うかも知れませんが
人それぞれの事情があるものです。
◆育った家庭環境が違い過ぎると
なかなか相手の考えを理解できないように思う。
あなたのご両親は謝る人でしたか。
子供たちにも自分が間違っていたら謝ってくれましたか。
または、なかなか謝らない人でしたか。
もしそうなら,あなたの家庭環境はあまり良くなかったかもしれません。
自分の非を素直に認めることを学んでこなかったと言えます。
子どもの頃に、間違ったら謝るという普通の事が身についていないので,
大人になっても素直に謝れない。
自分の非を容易には認められないのかもしれません。
◆◆どうしましょうか◆◆
◆相手の立場に立って考える
先ほどのご夫婦。洗濯物を散乱させていた妻の場合を
もう一度考えてみて下さい。
夫は自分側からだけ物事を見ていました。
怒っても当然です。
でも妻もその日はいろいろとハプニングが起こって
大変だったのです。子供が熱を出して病院に連れて行ったり、
保育園に迎えに行ったら、自転車が壊れて修理にも時間が取られていたのです。
やっとの思いで帰って来て、洗濯物を取り入れたばかりだったのです。
言いたい事は一杯あったので、怒った夫を前にして
自分の事だけ言わないでよ!と切れてしまったのです。
怒った夫が先に「ごめんね。怒って」言ったらどうなりますか。
きっと妻も「私ももっと早くしておくべきだったわ。ごめんなさい」
ときっと言うでしょう。
人の事情は聴いてみなければ分かりません。
人の話を聞くことには速くあるべきで、
自分の言い分は後回せでも良いではありませんか
怒ることには遅くあるべきで、謝ることに速くあるべきです。
さわやかな気持ちで、夕ご飯が普通以上においしく頂けます。
でも怒ったままだと、気まずくなって、
夕飯どころではなくなるかも知れません
◆夫婦の関係を強める決意をいつも保つ
謝ることは自分の非を認める事にはなりません。
人との関係をより良くするための手段と考えて下さい。
自分も人から誤ってもらった経験はありませんか、
その時はとても爽やかになったのではないでしょうか。
そうです、謝ることは人の傷をいやす効果があるのです。
相手も自分から謝りたいと思っていたかもしれません。
こちらから、「ごめんね」と言いましょう
そうすればきっと結婚の絆は強まります。
あなたへの信頼は増し、平和な家庭が築かれます。
何かがある度に、小言をいう夫や妻。
自分の考えを曲げない夫や妻
いつも闘争的な人かいつも穏やかな温厚な人か
あなたはどちらで知られていますか。
自分は人より上だと思っていませんか。
そんな人格を現す人より、人の尊厳を認めてくれるおおらかな人
そのような評判がほしいと思いませんか。
自分の配偶者が穏やかで、おおらかで人格的に優れていれば、
尊敬できますし敬意を持つことが容易になります・
結婚の絆が強まるとおもいませんか。
◆自分から謝る
でも自分は悪くないと思いますか。
ここで考えるのはどちらが正しいかを決める事ではありません。
まずは平和な関係を作る努力です。
勝ち負けで考えると、自然に
謝るイコール負けになるかも知れませんが
いつもそうではありません。負けても勝つことがあるのです。
信頼を勝ち得ると言いますが、
これはその人の勝利を意味しています。
どうすれば人からの信頼を勝ち得ることが出来ますか。
「僕を信頼して下さい」。と政治家のようなことを言いますか。
最も信頼できない人と見られてしまいます。
人からの信頼を勝ち得ること。
人との平和な関係を勝ち取ること。
その秘訣は自分を低くして、謙遜になって
自分から謝る習慣を身に着ける事です。
ある意味これは習慣、特質、性向ともいえるでしょう。
貴重な人格特性です。
◆心から謝る
謝り方の問題です。
謝ってはいてもすぐに言い訳をする。
「ごめんね。でも僕が言いたかったのは・・・」
謝っても嫌味を言う
「ごめんね。でも君もミスすることがあるじゃない。」
心から謝るのは大切です。自分の非を認めて、
相手が傷ついた事を認めましょう。
「こんなことされたら、こんなこと言われたら
誰でも傷つくよね。本当にごめんね」と言いましょう
この場合もどちらが悪いかを決めようとすると
心から謝れなくなります。
どちらも正しい場合もあります。
立場が変われば、そうなるのです。
先ほどの洗濯物のご夫婦はお互いに言い分がありましたね。
自分の事だけを考えてしまう。
自己主張が強いと
どうしても心から謝ることは難しくなります。
◆現実を受け入れる
自分も不完全で、間違いをする人間であることを素直に認めてください。
全ての人が間違いをします。
相手の状況や考えをすべて知っている訳ではありません
お互いに正しいと事も非とされるべきところもあるのです
自分が至らないところも多く、失敗もする人間だと認める事
自分を人より少しだけ低く見る事が出来れば、
人との不和をかなりの程度解決できるものです。
ではまた次回をお楽しみに